想定通りか?排水口対策

庭のU字溝に落ち葉が飛んできて排水口をふさいでしまう、というお客さんからの連絡で、対策をとることになりました。落ち葉対策のいい製品がないかとネットで調べたら、雨樋用の落ち葉除け器具が紹介されていました。つまらない、という製品名のプラスチックのかご。建築業界に多いそのまんまネーミングに遭遇すると、いつも「スベラーズ」を思い出しますが、今回はちょっとしゃれが効いてるほうですね。なんでも特許をとっているそうで、流れてきた葉っぱはかごに引っ掛かって水だけが流れ、晴れて風の強い日に葉っぱは乾いて飛んで行ってしまうという触れ込みでした。手間いらず!
これをさっそく購入し、現場にセットしてみました。

よさそうな感じでした。ところが半月ほどたって大雨が降ったあと、やっぱり詰まってます、という連絡がありました。行ってみると葉っぱというより、木の実や泥などかごの孔より小さいつぶつぶが排水口の目皿をふさいでいました。

そこでこの小さいやからどもを排水口まで寄せ付けないために、その手前にもう一つ堰を設けることにしました。今度は手作りです。ステンレスの金網を買ってきて、金切り鋏で切り出し、ペンチで曲げて、溝に合うように堰のかたちに整形しました。うなぎとかも獲れそうです。

これで雨が降って水が流れてきても、葉っぱや木の実はこの網にからめとられるはずです。目詰まりするとあふれてしまうので、ときどきお客さんに掃除してもらう必要がありますが、以前ほど頻繁にする必要はないでしょう。
さて、想定通り本当にうまくいくのか?それともどこかの防潮堤のように、自然は人間の知恵を超えてしまうのか?

熱線カッター

建築やまち並みの模型をつくる際、発泡スチロールを材料にすることがあります。設計中の建物のイメージをおおざっぱに模型化するときや、積み木のように並べてミニチュアの街をつくったりするときに、手軽に使える材料です。発泡スチロールは柔らかいのですが、カッターでは以外ときれいに切れません。つぶつぶでできているので、切るときにポロポロと欠けてしまうのです。そこでよく使うのが熱線カッターです。ぴんと張ったニクロム線に電気を通して熱くして、そこにスチロールをあてがうと、溶けながらすーっと切れます。針金で雪を切る感じですかね。このなめらかな「溶切感」はちょっと気持ちよくて、建築学科の学生などの隠れた楽しみです。
先日、新しい地盤改良の現場を見学しました。軟弱地盤の敷地の土を発泡スチロールと入れ替える工法です。建物の建つエリアに浅い穴を掘って、真新しい真っ白な発泡スチロールを並べていました。建物がだいたい四角だから畳サイズの発泡スチロールを縦横に並べているのですが、最後の端のほうは寸法を合わせるためにカットしなければなりません。そこで使っていたのが、やはり熱線カッターでした。ニクロム線にトランスをかませて電気を通していましたが、材料が大きいので二人がかりです。江戸時代の二人で引くのこぎりみたいに左右に分かれてニクロム線を引っ張っていました。すーっと切っている瞬間の写真ですが、やっぱりちょっと気持ちよさそうです。

鎌倉山集会所の公開プレゼン

3月18日(日)、鎌倉山町内会の集会所で、集会所建て替えの設計者を選ぶプロポーザルの公開プレゼンテーションがありました。この最終プレゼンに残ったのは私を含めて3名でした。小雨がぱらつく中、約50人の住民の方々が参加してくださいました。それぞれ約20分のプレゼンを行って、質問を受けました。準備期間が2週間あったので、パワポをしこんだうえ、前日には学生みたいに発表の練習もしました。だからプレゼン自体は問題なくやりおおせましたが、他の二人のプレゼンもなかなか魅力的で、住民の方の印象はどうだったか、結果はどうなるか、決定を待つだけです。なんか、受験生みたいです。
受験生の話と言えば、「家族ゲーム」を昨夜久しぶりに観ました。松田優作も伊丹十三も森田芳光も、もういないなんて。

鎌倉のワカメ

鎌倉の漁協が月一で開いている朝市にいってみました。ところが魚が一匹もいない。漁港ワークショップで一緒の漁師さんがいたので聞いてみたら、「いまワカメの加工で大忙しで魚とってられない」そうです。
そこで由比ガ浜に行ってみたら、なるほど、みなさんやってました。砂浜の上で大勢が流れ作業をしています。作業としては、1)ワカメをメカブと葉(わかめ本体)に切り分け、2)おおきな釜でゆで、3)水にさらし、4)二つに裂く。その日は「陽気が悪いから」干さないでそのまま塩漬けにするとのこと。晴れてて北風の日がよく乾いていいんですって。でもとなりの小屋の漁師さんは干してました。
和気あいあいと仕事なさっていましたけど、小雨がぱらつく寒い中、浜での仕事はきびしいと思います。その上、台風で砂浜がえぐられて砂が流失してしてしまうので、時化のときは波が近くまで打ち寄せてくるようになり、作業場所を整えるのがまた一苦労だそうです。
こうした労働環境を改善するために、漁師さんたちは由比ガ浜に漁港をつくって欲しいと市に請願しています。それをうけて、市で昨年からワークショップを開いて市民と漁師さんたちがいっしょに考えています。でもワークショップなんだから、考えるだけでなく、みんなで浜に行って、実際の様子を見たり体験したりしたいですね。そのうえで地に足のついた議論をしたいと思います。

あったかい芋煮いかがですか〜!

先週末に由比ガ浜商店街が催す「まちかどフェア」にひと・まち・鎌倉ネットワークで「芋煮&フリマ」の屋台を出しました。東北名物の芋煮と設計事務所の古道具のフリマです。曇りで寒かったのが、かえってあったかい芋煮の需要を高めたのか、おかげさまで用意した100食は完売しました。観光客のカップルやまちの人などみなさんおいしいと喜んでくれました。私は「東北名物のあったかい芋煮はいかがですか〜!」と大声で呼び込みをしてたのですが、こういう呼び込みって効果はどうなんでしょうね。以外と近づきにくくしてるかもしれない。前を通りがかった通行人に「もしもし、実は芋煮があるんですが、よかったらお分けしますよ、うふふ・・・」とささやいたほうがよかったりして。
フリマはカラス口とか自在定規とか、前コンピューター時代の製図道具を並べていたのですが、収納箱のレトロなデザインが受けたりしてこちらもほとんど売れました。
お買い上げいただいた方で、使い方などわからない点がありましたらこのブログにコメントしてください。わかる範囲でお答えいたします。

景観か、人命か。

景観か、人命か、という議論が盛んです。
津波が予測された場合に、遠くの高台まで逃げられないひとが一時避難できる建物として
以前から鎌倉市をはじめ海沿いの市町村では津波避難建物を指定していました。ですが、従来の津波予測がもとになっているので、最新の予測による津波には高さが不十分です。茅ヶ崎市や平塚市など湘南の市町村では今後津波避難建物を大規模に整備してゆくようです。
3.11以来鎌倉でも、海の近くに高いマンションやビルを建設しよう、そのために景観の観点から建物高さを制限している条例を改正しよう、という意見が市民から出ています。

一方で、高さ制限を変更すれば海沿いは高層マンションが屏風のように建ち並んで、せっかく守ってきた景観が損なわれてしまう、という反対意見も当然あります。
両者の妥協点は、景観条例の中に例外規定をもうけ、「公共施設で景観に配慮したデザインを持ち周辺住民の同意を得た計画」に関しては高さ制限を超えても良いとする、といったあたりでしょうか。しかしそれで全員が高いビルに避難できるわけではないので、基本は高台への避難を前提として防災計画を作り、お年寄りなどの災害弱者対策としてこの津波避難ビルをつくるというのが現実的だと思います。また、こうした例外規定は運用が難しいので策定には綿密な検討が必要でしょう。

ワークショップ終了しました

おかげさまで由比ヶ浜景観ワークショップ「みんなでつくる海の写真アート展」を無事終了しました。参加していただいた皆様、どうもありがとうございました。制作していただいた17作品は2月5日(日)までまちの駅鎌倉で展示しています。

海のアート展ワークショップ開きます

由比ヶ浜の景観ワークショップをこれまで4回行ってきました。今月末、5回目を開きます。今回のテーマは「みんなでつくる海の写真アート展」というものです。
これまではすべて由比ヶ浜商店街を対象にまちなみを考えるワークショップでしたが、今年は由比ヶ浜海岸を対象にして、海の景観をもう一度よく見てみようという企画です。

東日本大震災後、津波の被害をどう防ぐかが鎌倉でも盛んに議論されています。海沿いのエリアは現在は風致地区に指定されて高さ10m以下に規制されていますが、避難建物にするために、高層マンションを建てるべきだという意見も一部では出ているようです。
また、漁業従事者の不便解消を図るために新たに漁港を建設してはどうかという議論もあります。すでにコンサルによる調査、提案が出されています。
そうした安全性、利便性も将来の鎌倉のために大切ですが、景観もまた将来にのこしていかなければいけない大切な資産です。

そんなわけで、海辺の景観を再認識するためのワークショップですが、当日は固いこと言わず、みんなで工作して楽しむイベントです。海で写真を撮って、大きなポスターにしてもらい、それに落書きしたり色紙を貼ったりして工作します。会場に展示し、冊子にして配ります。小学生から大人までどなたでも参加してください。

■名称:由比ヶ浜景観ワークショップ みんなでつくる海の写真アート展
■会場:まちの駅鎌倉(由比ヶ浜2-4-41)由比ヶ浜通りの江ノ電踏切わき
■日時:2012年1月28日(土)10:00〜17:00、29日(日)10:00〜17:00
■料金:無料
■問合せ:電話かメールで。080-4409-6350(冨永)tominaga.h.aa@m.titech.ac.jp
■主催:(社)ひと・まち・鎌倉ネットワーク、共催:東工大熊倉研究室、後援:鎌倉市

 

ラジオ

ラジオをよく聞いています。朝はNHKのAM放送を聴きながら支度をし、帰宅後もずっとラジオがかかっています。事務所での仕事中は会話は気が散るので鎌倉FMのDJなしジャズ番組をかけることが多いです。ただし、模型などの手作業をするときはナビゲーターのおしゃべりに耳を傾けたくなります。
震災後はラジオの有効性が見直されているようですね。そういえば昨日は放送中にいきなり地震警報の“トレイン、トレイン”(と聞こえる)が鳴って緊張しました。東北の被災地でボランティアの若者がコミュニティラジオ(地域のFM局)を担っている特集をテレビでみましたが、私が子どものころはラジオはメジャー局しかありませんでしたから、今はずっとラジオが身近なものになっている気がします。
むかし観た映画「アメリカン・グラフィティ」で主人公の若者たちが住んでいる小さな町に小さなFM局があって、ウルフマン・ジャックそっくりのDJが音楽と一緒に主人公たちの電話による伝言を逐一伝えるシーンがあって、アメリカには町ごとにラジオ局があるのか、とあこがれました。
中学生の頃、海外短波放送を受信してレポートを送るBCLという趣味を楽しんでいました。放送局から「ベリカード」というオリジナルの確認カードが返送されるのです。当時、外国と手紙をやりとりするのはとても国際的行為でどきどきしました。
大学生のとき、バイト先の設計事務所の近くに有名なデザイナーが設計したバーがありました。「Bar Radio」という名前です。かっこいい名前だと感心しました。
先週、長年使っていたラジオが鳴らなくなったので開けてみたのですが、原因はわかりませんでした。チューニングダイヤルが選局目盛りと糸でつながっていてアナログ感にあふれていました。直してくれるところがあるといいのですが。

ちょっと新しい正月の風景

正月三が日の鎌倉は例年より人出が少なかったような気がします。でも例年にないイベントがいくつかあり、新たな正月風景に触れました。さかいクリニック前での東北支援バザーでは、支援企画の女川カレーや仮設住宅で制作された古布草履などがならび、人々が足を止めていました。スリランカ紅茶屋のLENTEEでは道にスリランカちょうちんを出していました。日本の七夕かざりと提灯が合体したような伝統的なアイテムだそうです。また、いつもは鎌倉野菜を直売している農協市場は震災支援のライブ会場になっていました。野菜の代わりにCDやお菓子がならんでいて、たくさんの人が集まっていました。
そうした新しいイベントを回った後、例年通り八幡宮の屋台をひやかして帰ろうとおでんの屋台をのぞきました。すると店主はなんか素人っぽい夫婦で、聞けば普段は新橋で食堂をやっていて、いわゆるテキ屋さんではありませんでした。ご主人は、うまいよーではなくて、「おいしいですよー」と礼儀正しく呼び込みをしていました。なんか町内会の屋台みたい。これもちょっと新しい正月の風景でした。

年のはじめにあたって

あけましておめでとうございます。
今年のお正月は家族で過ごす人が多いと報道されています。我が家も今年は9人で過ごしています。おおみそかはみんなで紅白を見て、年越しそばをたべて、東京生まれの5才の甥っ子は火鉢で餅を焼きながら、「このしはいつきえるのさ・・・」と江戸っ子らしい口をきいてみんなを笑わせています。我が家はLDはなくて板張りの茶の間が団らんスペースなので、座卓の周りに詰めれば何人でも座れます。座卓を足せば宴会もOK。ひとが集まりやすい設計の家といえます。
家族をデザインすることはできませんが、家族が楽しく過ごす家をデザインすることは建築家には可能です。また、家と同じように、地域が楽しくなるようなまちづくりをしていきたいと思います。

さようなら、中丸さん

私が由比ガ浜商店街の景観まちづくりにかかわることになったのは、数年前、この通りにある私の工事現場に酒屋の中丸さんが困った顔でやってきたからでした。由比ガ浜中央商店街の景観協議会会長だった中丸さんは、私の設計したビルが景観ルールに違反しているかもという連絡を受けて確かめに来られました。工事にかかる前に中丸さんには図面で説明していたので問題ないつもりだったのですが、解釈によっては違反とも受け取れる箇所があったのです。その件の反省から、今後他の事業主の案件で図面を読み解く必要があったら協力させてくださいとお願いしました。中丸さんはこころよく受け入れてくれて、そこから商店街のデザインレビュー制度につながる協力活動が始まったのです。マンションや店舗の計画があると呼んでくれるので、景観ルールにかんがみてどうかという意見を出させてもらっています。
中丸さんはよく「昔は酒屋はまちの情報通だったのよ」と言っていました。御用聞きに各戸をまわっているので、結婚相手家族の評判をこっそり酒屋に聞いたりしたものだそうです。でもだんだん御用聞きを呼ぶ家も少なくなり、近所づきあいも減ってきて、住民同士が疎遠になってきた。そのためか中丸さんは、まちのことは自分がなんとかしなくては、という気持ちを持たれていたようで、景観協議会会長以外に町内会長も引き受けていました。
昨日の夜、中丸さんのお葬式がありました。夏頃まではイベントにも出て元気な笑顔を見せていたのに、とても急な訃報でした。いつも3輪バイクでまちをぐるぐる回っていた中丸さんの姿は商店街のシンボルのひとつでした。でも最期には奥様に、もう疲れたよ、と打ち明けていたそうです。どうかあっちでのんびりしてください。ありがとうございました。さようなら、中丸さん。

あんどんワークショップの説明を聞く中丸さん(右端)

11/12/13

THE BANKは由比ガ浜にあるバーです。
しょっちゅう店の前を通っているのですが、なかなか利用する機会がありません。数年前に一度だけここでビールを飲んだことがあります。昭和2年に建てられた銀行の建物で、中に当時の出納カウンタが残っていました。外観はY字の道に挟まれた二等辺三角形で頂点に入口があります。小さな建物ですが、銀行建築らしく古典主義的な装飾が施されており、格式が感じられます。特に、帯状に建物を巻くモールディングと付け柱上端の柱頭が特徴的です。でもよく見るとその細部のデザインは様式には則っていなくて、建築家のオリジナルのようです。アール・デコの影響かも知れません。鎌倉には洋館と呼ばれる戦前の洋風建築がいくつか残っていますが、いわゆる古典主義様式の建築は今やこれだけではないでしょうか。古典主義は公共建築のための様式ですが、鎌倉の洋館はほとんど住宅建築なのでチューダー様式とかコロニアル様式など洋風住宅の系統が多いのです。
実は最近、鎌倉近辺の古い名建築を雑誌で紹介する仕事を手伝った際、ぜひともこの建物を紹介したくて外観の写真は撮ったのですが、時間が早くて中に入れなかったので、もう一度トライしてみたいと思っています。
ところで、このあいだ図書館で借りたチャンドラーの小説を読んで、探偵のマーロウが事務所を構えているのはロサンゼルスだということを知りました。葉山にあるマーロウというプリン屋さんの看板には帽子とコートのボギー風の男の絵が描いてありますが、あの格好ではロスでは目立ってしょうがない。汗だくになってしまう。どこからあのイメージが来てるのだろう。
なぜマーロウの話かというと、その小説ではバーで飲むあるカクテルがキーになっているのです。だからこんどTHE BANKに行ったらそれを頼むつもりなんです。
今日は’11.12.13。

コミュニティデザイン

今年春に出た山崎亮さんの「コミュニティデザイン」(学芸出版社)はまちづくりの前段階の“なかまづくり”の実例がたくさん紹介されていて勉強になります。卒論研究テーマをさがしていた女学生が、地図にダーツを投げてささった離島に単身調査に乗り込んでいく話、おもしろいです。山崎さんとは学生向けワークショップで何度かご一緒しましたが、いつもニコニコ顔です。建築家はあまりニコニコしない人が多いのですが、人をつなげる仕事には人当たりの良さが必要ですね。「建築業界は最近不況ですね」と言ったら「役所に行けば手伝ってほしがっている役人がごろごろしてますよ。設計の仕事がないなんて言ってる建築家は探してないだけですよ」と豪語してました。

http://www.amazon.co.jp/コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる-山崎-亮/

 

ピヨピヨ保育園のバザー

当事務所で設計を担当した鎌倉市常盤のピヨピヨ保育園でバザーが開かれます。どなたでもご来場できますで、建物見学を兼ねてお買い物においでください。
日時:平成23年12月4日(日)10時〜2時ころ
場所:鎌倉市常盤666 ピヨピヨ保育園

旧華頂宮邸

鎌倉市の景観課が主催するまちあるき&洋館の見学会で、建物の説明係を担当しました。鎌倉の山の方、浄明寺地区にある旧華頂宮邸という昭和4年に建てられた華族の邸宅です。旧前田家別邸(現鎌倉文学館)、古我邸とともに鎌倉の3大洋館の一つに数えられています。平成になって市に寄付された後、春と秋の年に2回だけ公開されます。何度か訪れていますが、りっぱな建築で、年に2回だけしか見せないなんて宝の持ち腐れです。市としても活用保存していきたいらしいのですが、まだ現実的な段階ではないようです。民間団体がかわりに運営してレストランとか結婚式場などにして活用できないでしょうか。私は室内楽のライブハウスがいいのではないかと思うのですが。

鎌倉の津波予測

東北大震災後、津波予測の見直しが行われ、鎌倉はM7.9で14.4mの津波に襲われるとの予測が発表されました。鶴岡八幡宮が海抜11mですから、鎌倉の中心部のほとんどは被害を受けることになります。しかも3.11よりもマグニチュードの設定が小さくてこれです。写真は今日の午後、長谷の文学館の庭から見た水平線ですが、じっと見てると、迫りつつある津波のように見えてきませんか?実は文学館の敷地は盛り上がっているので、長谷近辺にいた場合はここまで逃げられれば一安心です。地震時に自宅や会社にいるとは限らないので、普段の立ち回り先の海抜を覚えておくべきかも知れません。

都市景観シンポジウム

11月18日(金)に埼玉県川越市で開かれた都市景観シンポジウムを聴きに行ってきました。川越は蔵づくりで有名です。蔵づくりのまち並みは電線を地中化し、車道と歩道を段差なしにするなどとてもきれいに整備されていて、大勢の観光客で賑わっていました。わたしが川越に前に一度行ったのは26年前で、当時は蔵づくりのまち並みはまったく整備されておらず、蔵は古くさいから隠すべきだ、とされていた頃です。大学生だった私は川越市役所に就職した先輩に誘われて古い造り酒屋の蔵を実測調査に行きました。どうもその頃から蔵を見直すような流れに変わっていったようです。シンポではその先輩が司会役でした。そしてパネラーの一人が大学の後輩で、なんだか懐かしい気分のイベントでした。

いい町の条件

家の近所に新しく小さなイタリア料理店ができていました。先月開店したとのことですが、ここのところ通っていなかった道なので知りませんでした。夫婦らしい若いシェフとウェイトレスの二人で切り盛りしています。テーブルが二つとカウンタだけのかわいい店です。以前その場所は定食屋さんで私もときおり利用していたのですが、だいぶ前に閉店していました。定食屋さんも夫婦でやっていて、奥さんが調理担当で旦那さんがウェイターで繁盛していましたが、その夫婦はかなりのご年配でした。両夫婦に関係はないそうですが、その新しい店に食事に来る客たちがしばしば以前の店の話を若い二人にするそうで、いわく、70才から店を始めたとか、コーヒーがとてもおいしかったとか、いろいろな話を聞かされるのでそのシェフは、一度お会いしてみたくなりました、と言っていました。遠い将来、またこの場所に新しい店ができたとき、昔ここで感じのいい夫婦がイタリア料理店をやっててさ、と語られるといいですね。語り継がれる店があるってことはいい町のひとつの条件という気がします。イワシのトマトソース、おいしかったです。

小学生とまちあるき

近所の小学校の総合学習「まちあるき」に毎年ファシリテーターとして参加しています。今日は一年生といっしょにお寺や洋館のある道を巡りました。こどもたちはマンホールや道路境界杭など地面のものによく目が行く。大人よりも目と地面の距離が近いからかな。写真は「アイス食べてるお地蔵さん!」との記念写真です。たしかに食べてる。