昨秋11月にはじまった堤さん(仮名)ご家族の住宅の設計も2週間ごとの打ち合わせを経て春3月、基本設計がほぼまとまりました。だいたい順調なペースで打ち合わせを進められた堤邸でも4ヶ月かかりました。基本設計とは設計者が建て主との間で相談しながら進める設計で、図面としては平面図、断面図、立面図、配置図などの基本的な図面を1/100の縮尺で制作します。これに仕上表と概算見積書を加えて基本設計図書といいます。平面図で部屋の配置や広さを検討し、立面図で外観を、仕上表で床や壁に使う材料を検討します。打ち合わせに出した変更案は7案ほど。第1案で外形や階構成の大枠は決まっていたので、その後は間取りや開口部などの修正を繰り返しました。キッチンのレイアウトや収納の位置、冷暖房のシステムなどの概略も決めました。いまそれらを図面にして工務店に送り、概算見積りを作ってもらっています。
堤さんはすでに銀行のローン担当窓口に仮の工事請負契約書を提出していますが、それにはローンの根拠とするための予算どおりの請負金額が書かれています。今回の概算見積り作成は計画案がその予算内に収まっているかどうか、オーバーしているとしたらどの程度かを知るための作業です。それによっては仕様を見直さなければなりません。
基本設計の最期に仕上表にしたがって素材感を表現した模型をつくりました。内装もフローリングや造り付け家具を作ってリアリティを出しました。奥様はこの模型を見てやっと広さが理解できたとおっしゃっていました。この模型は秋の建築士仕事展に出品する予定です。