海老名の田んぼ

毎週本厚木の大学に電車で通っています。小田急線に乗っていて海老名駅を過ぎると線路の両側に少しばかり水田が見えます。かつては広々した田園だったのでしょうが、いまでは住宅や商業施設などの建物に囲まれてしまい、たいした収穫量があるわけでもなさそうだし、近い将来には都市化されて田んぼはなくなってしまいそうです。
4月のある日、海老名の郊外に用事で出かけた際、酒蔵と書いた看板の前を通りかかりました。1軒の農家くらいの小さな屋敷でいちど通り過ぎたのですが、気になって引き返してみると庭に幟が立っていたので思い切って門を入ってみました。しぼりに使うとおぼしき布ぶくろが中庭に干されています。 蔵を改造した直売所があったので土産に一本買って帰りました。聞いたことのないブランドだったのであまり期待していなかったのですが、その日の晩酌に開けてみたらそのうまかったこと。甘口を買ったのですが、はじめとろっとこくがあってのみくちがよいけどべたべたしてなくて米の味が感じられ後味はすっきりしている。神奈川県にこんなうまい酒を造っているところがあるなんて。調べてみるとこの酒蔵、海老名市内とその近郊の水田で栽培された酒造米でさけづくりをしているとのこと。しかもほぼ無農薬。自らも栽培を行っているらしい。もしかしたら電車から見えるあの田んぼの米もここでお酒になっているのかも。いづみ橋酒造、無農薬の水田に舞う赤トンボのラベルが目印です。