今週末は事務所のある材木座地区のおまつりです。材木座の五所神社の参道には提灯が掲げられていて、夕刻には灯りがともされ、おまつりへの期待感をいやがおうでも高めてくれます。提灯の黄色い光の列は見る人を非日常性へといざなう華やいだ雰囲気があります。昔はろうそくが光源だったわけですから、もっとほの暗くゆらめく炎が神域の妖しさを演出していたでしょう。それが電球に替わってだいぶ明るくなったわけですが、それでも電球の黄色い光には炎の記憶を呼び覚ますものがあります。
しかし、いま鎌倉中で進められている防犯灯や街路灯のLED化は、そんな炎の記憶は過去の遺物とでも言うかのように、真っ白い突き刺すような光で夜の街を照らしつつあります。確かに電気代が安くなり、交換の手間がなくなります。しかしLED照明は目に入るとまぶしい上に影が濃くて明暗のコントラストがきつく、照らしていないところにあるものはかえってよく見えません。
電球の光を見るとなぜかほっとするのは私だけではないでしょう。いつか炎の記憶とつながるちょうちんのような街路灯に替えてくれないかな。