今年の夏は大学の研究室のプロジェクトである陸前高田の集会所建設で忙しい。約100戸の半数が津波で被災した集落で、津波に流された公民館が再建されるまでのあいだ、仮の集会施設が求められています。ある企業の寄付金により必要最小限の建物を建てることが決まり、その設計を研究室の学生と行っています。
今週もその地区の自治会の方々との打合せに行ってきました。私が現地に行くのは今回で2度目ですが、現地の方と市役所の会議室で会議したり、お宅に伺ったりしてこれまでのまちの様子や震災当時の状況などをお聞きしながらプロジェクトを進めています。
写真は自治会の方と市役所のプレハブの会議室で話をしている様子ですが、みなさん姓が「戸羽」さんです。100世帯の半分くらいは同じ姓なのだそうです。それぞれをどうお呼びしたらいいか困って「お互いをどう呼んでいるんですか」とうかがうと下の名前や屋号で呼んでいるそうですが、外部の人間にはすぐ真似できないです。
いま、そのプロジェクトでちょっと壁にぶつかっているのですが、それは現地で大工さんが忙しくて仕事を引き受けてくれる人がいないということです。陸前高田のいくつかの工務店をあたってみましたが、みな2年後くらいまで仕事が詰まっていて今年の夏の工事など引き受けられないといわれてしまいました。しかたがないのでなるべく簡単に工事できる設計にして、いざとなったら学生たちが自力建設できるように考えています。