毎年夏になると、鎌倉市内の小学生といっしょに川探検に行きます。今年は御成小学校の4年生と、大刀洗川に行きました。4年生には川の学習があり、川の生き物や流域の地勢などを学ぶようです。ここ数年、第二小学校、第一小学校、御成小学校の4年生と川に入っています。今年は大刀洗川の生き物探しと川のはじまり探しの2つのテーマを持って行きました。鎌倉駅からバスで15分ほど、朝比奈切り通しに近い森の中に今回の活動場所を設定しました。ここは人工的な護岸がなく、自然の川の景観が残っています。そして10分くらいさかのぼると、川のはじまりの地点があるのです。
まず、川の生き物探しをしました。最初に「大きな声で騒ぐと生き物が逃げてしまうよ」と言っておいても、こどもたちは川に入ると当然大喜びで「あっ、なんかいた!」「どこどこ?」「カニだ—!」「きゃー!」と大騒ぎ。小さな魚やサワガニ、ヤゴ、アメンボ、ゲンゴロウの仲間などが見つかりました。一応、学習なので水質検査もします。スポイト型の検査キットに川の水を入れて、試薬の色が変わるのを観察しました。
30分ほど川で遊んだあと、生き物を川に返して、川のはじまりを探しに行きました。朝比奈切り通しにつづく山道の脇にせせらぎがあるのですが、登るにつれてだんだん細くなり、ついに消えてしまいました。その付近を探すといくつかの岩のすき間からポタポタとしずくが落ちています。このしずくが大刀洗川の源流で、しばらく下ると滑川と合流し、由比ガ浜海岸で海に注ぐのです。
源流から河口まで、自分たちの町の中で見ることが出来る鎌倉のこどもたちは幸せです。大人になってもその体験は忘れないでしょう。そして自然や景観を大切に考えるひとになってくれると思います。