基礎の上に土台、柱、梁を組み上げると家の骨組ができ上がります。土台はヒノキ、柱はスギ、梁はベイマツを使っています。これに床板と屋根と壁をつけると木構造としての構造体が完成します。在来構法と呼ばれる木造軸組工法は骨組みだけでは地震や強風でゆらゆら揺れてしまいますが、床や壁の面をしっかり張ることで揺れにくい箱のような構造にします。また、柱と梁が抜けたりはずれたりしないように金物を取り付けます。茶色く見えている壁の板は「ダイライト」という特殊な板で、構造体としての強さと、火事にも燃えない防火性を兼ね備えた建築材料です。
壁をつけると部屋の形や広さが見えてきますし、窓から見える景色も輪郭がはっきりします。この日は工事が始まってから初めて建て主の堤さん(仮名)一家が現場に来てくれました。窓の穴からまわりの景色を見たり、脚立に上って屋根裏部屋をのぞいてみたりして、みなさんで新しい暮らしのイメージを膨らませていました。構造ができたのでこれから造作工事に入ります。職人の腕の見せ所です。