敷地の購入が決まり、ローンの審査も無事通ったので、土地に関して残るは引き渡しと登記だけです。そこでいよいよ家の設計の段階に入りました。今日の打ち合せは堤さん(仮名)と設計事務所との間で結ぶ「設計監理委託業務契約」の重要事項説明と、こんな家に住みたい、という設計の要望をうかがうことが議題です。
設計のご依頼をいただいた段階ですでに敷地が決まっている場合は、最初に建て主さんから要望と予算をうかがいます。そして設計契約を交わして土地の条件を調査し、構想を練るというのが通常の進め方です。堤さんの場合は土地探しからかかわっているので、予算、土地の条件はすでに把握しています。設計の要望も少し聞いていましたが、あらためて家のイメージ、暮らし方のイメージを教えてくださいと打ち合せの前にお願いしておきました。
契約の話が済んで、設計の打ち合せになるとご主人は間取りのスケッチを取り出しました。「昨日のよる描いてましたよ」と奥様が言うスケッチが写真です。左側に敷地と道が描いてあり、右側に2階建てのプランが描いてあります。タッチはけっこう様になっていて建築学科の学生よりもプロっぽいかも。1階に個室がならび、大きなクローゼットがあります。廊下が土間になっていて、土間に面して中庭があるようです。2階はワンルームのLDKで浴室も2階です。大きなテラスがあり中庭から外階段で直接上がれるようです。
要望を設計者に伝えようとして、堤さんのように自分でスケッチを描いてくる人もいれば、ワープロで数枚に及ぶ要望リストをお持ちになる人もいますが、あまり多くありません。たいていは打ち合せの中で言葉で希望をおっしゃるか、雑誌などの写真を見せてイメージを伝えようとします。建て主スケッチは諸条件が考慮されていないのでそのまま設計に活かせることはまずありません。でも家づくりに向かうわくわくした気分はとてもよく伝わってきます。