横浜の黄金町にあるJack&Bettyという名画座に1960年代につくられたグルジアの映画を見に行った。放浪の画家の話で、静謐な詩情あふれる美しい映画だった。映画を見た後、伊勢佐木町の方に歩いていると、小さなレストランらしい店の前を通りかかった。看板を見ると不思議な文字が書いてある。何語だろう?とおもってよく見ると、それは看板をくっつけてあった接着剤の跡らしい。 むむっ!これぞ作為のないわび芸術の至高である。それはともかく、この空き店舗の風景になぜか惹かれた。白い横長の壁に横長の窓。壁の上にレンガ張りの庇。壁の手前に水平の植え込み。それら3つの横長の要素と対照的に垂直に立つ一本の街路樹。ここまではいい。しかし左に立っている緑色の街灯の柱がそぐわない。おしい。
そんなことを思ったのも、映画に出てきた原っぱにぽつんと店の建っているシーンが印象的だったからかもしれない。